
[対象疾患]
主に難聴、耳鳴りの患者を対象にした外来です。
中耳疾患(慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、癒着性中耳炎、耳硬化症、耳小骨奇形など)
内耳疾患(突発性難聴、外リンパ瘻、メニエール病、低音障害型感音難聴、ステロイド依存性難聴(免疫異常による難聴)、騒音性難聴、遺伝性難聴、先天性難聴、ムンプス難聴、など)
聴神経、脳幹疾患(聴神経腫瘍などの腫瘍性病変)
耳鳴り、耳閉塞感、聴覚過敏やその他、多岐にわたります。
[担当者からのメッセージ]
中耳疾患
難聴があったとしても、中耳の病気であれば、手術治療によって改善する場合がほとんどです。当科は患者さんの負担も考え、国内で最も短い入院期間で対応しています。全身麻酔による手術の場合、通常8日間で手術加療(鼓室形成術、乳突削開術、アブミ骨手術)を行っています。
鼓膜に開いてしまった小さい穴をふさぐ手術(鼓膜形成術あるいは鼓膜穿孔閉鎖術)は、局所麻酔下で日帰りか一泊入院で対応しています。
また、耳硬化症は耳小骨と呼ばれる耳の骨が硬くなる疾患ですが、本疾患に対するアブミ骨手術件数は国内でも有数の症例数(年間30例前後)を誇っています。
内耳疾患
内耳が障害されている場合は、内耳の感覚細胞(センサー)が再生しないことから、必ずしも治るものばかりではありませんが、突発性難聴では、早めに治療を開始することによって、聴力が回復させることもできます。また、外リンパ瘻は内耳からリンパ液という液体が漏れ出る病気ですが、この病気が疑われる場合、内耳からリンパ液が出ているかどうかを調べる試験鼓室開放術を行い、内耳から漏れ出る穴を塞ぐことによってめまい、難聴の悪化を予防することもあります。
また、突発性難聴の治療効果は100%ではないため、治療が無効の場合には、患者さんの希望により鼓室内ステロイド注入を行うこともあります。
聴神経腫瘍
聴神経腫瘍に対する治療として、手術、γナイフなどが考えられます。聴神経腫瘍に対する手術は、脳外科と共同して行うことも多く、手術件数は国内でも最多件数を誇る病院の一つです。本疾患は神経耳科外来(金曜午後)と当外来で対応しております。
その他
残っている聴力を活かすために、補聴器を使用することもあるため、補聴器外来に要らしていただきこともあります(補聴器外来)。しかしながら、両側が補聴器でも聞き取れないような場合には人工内耳という手術の適応かもしれません。これは人工内耳(火曜日午後)外来でご相談していただきます。
このように、難聴といってもさまざまな原因が考えられますので、聴力検査はもちろん、精密聴力検査、画像診断などが必要になることがあります。
耳鳴り
眠れない、集中できないといった生活への支障がある場合、薬物治療、音響療法(TRT)、心理治療などで、日常生活において耳鳴りが気にならないように改善することを目指します。当科は国内で初めて、TRT、心理療法を開始した外来であり、新聞などのマスメデイアにも数多く取り上げられております。
なお、並行しておこなっている、心理外来、TRT外来、特殊耳鳴外来、遺伝耳科外来は完全予約制です。
[当院でおこなっている臨床研究]
すべて慶應義塾大学の倫理委員会で承認を得たものです。
当科で診断し、その検査治療を受ける適応があることがわかり、患者さんと医師関係が築けており、研究に同意された場合に限り施行しています。
当科でしか受けられない検査、治療が含まれておりますので、困っていらっしゃる方は相談にいらしてください。
突発性難聴に関する臨床研究 (窓口:神崎)
対象者:前医での治療がなく、発症から7日以内に来院されており、本研究に同意された方
内容:血清サイトカインが聴力の回復に関係しているのかどうかを調査しています。
急性低音障害型感音難聴の治療効果
対象者:初めての発症で(前医での治療がなく)早期に受診され、本研究に同意された方
内容:厚生労働省班研究として多施設で行われている研究です。急性低音障害型感音難聴にとって最適な治療法を解析しています。
当院では初診の患者さんにステロイド(プレドニゾロン)を内服していただき、治療効果を判定しています。
耳小骨可動装置の解析
対象者:中耳手術を受けられる方で、本研究に同意された方
内容:中耳炎、耳硬化症の手術で耳小骨可動性を測定することで、より適切な手術法が選択できるように努力しています。
骨粗鬆症薬によって耳硬化症の難聴を予防できるか?(窓口:水曜日午前 初診神崎)
対象:耳硬化症疑いと診断された高齢(閉経後)の女性
内容:骨密度の検査をしていただき、適応があれば骨粗鬆症の薬を内服すると難聴が予防できるかもしれません。
難聴者における聴覚特性(周波数選択性)測定検査
対象:軽度難聴者で本研究に同意された方
内容:難聴者における聴覚特性を検査します。この検査により難聴の病態の解明から、よりよい補聴器の適応決定、フィッティングを行うことを目的としています。検査は純音聴力検査に準じて行います。
経頭蓋磁気刺激(TMS)による耳鳴の治療効果
対象:耳鳴患者のうち、心臓病、脳疾患などがなく、本研究に同意された方
内容:慢性的に持続する耳鳴を消失・軽減させる治療法として現在確立されたものはありません。現在欧米の数施設において、経頭蓋磁気刺激を耳鳴に対して利用して、効果を上げて来ています。しかし今のところどのような耳鳴に効きやすいのか、もしくは効きにくいのかは明らかになっていません。本研究の目的は、経頭蓋磁気刺激がどのような種類の耳鳴に効果があるのか、具体的には耳鳴の音色や大きさ、原因疾患、患者さんの年齢、耳鳴を持っている期間、耳鳴による不安やいらいらなどの心理的苦痛や集中力低下や睡眠障害などの生活障害、社会不安障害やうつ状態などとどのように関係しているのかを解明していくことです。
耳鳴と脳機能画像検査
対象:耳鳴患者のうち、本研究に同意された方
内容耳鳴の機序の一端を解明することを目的として、耳鳴の遮蔽後抑制における脳内の活動を、光トポグラフィやfMRIを用いて撮影します。
耳鳴患者の心理状態の解明
対象:耳鳴患者
内容:耳鳴を主訴に当科心理外来を受診した患者さんにさまざまな心理アンケートを行い、耳鳴の重症度と、うつ・不安・人格などとの関連を調べています。
心因性難聴の聴覚検査と脳機能画像
対象:成人心因性難聴患者
内容:対象者にさまざまな聴覚検査を行い、また光トポグラフィやfMRIなどの脳機能画像撮影を行い、なぜ心因性難聴が生じるのかについて調べています。
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[対象疾患]
1.喉頭疾患全般:
a. 喉頭の炎症(急性声帯炎、急性喉頭蓋炎など)
b. 喉頭の非腫瘍性病変(声帯ポリープ、声帯結節、声帯嚢胞、喉頭肉芽腫など)
c. 喉頭の運動障害(反回神経麻痺、痙攣性発声障害など)
d. 喉頭の腫瘍(喉頭癌、喉頭乳頭腫、血管腫など)
e. その他(喉頭の奇形および狭窄・異物・喉頭外傷など)
2. 嚥下障害
3. 咽喉頭異常感症
[担当者からのメッセージ]
気管食道外来・喉頭外来では、喉頭疾患を中心に、専門的な診断・治療を行っています。
喉頭疾患が疑われた場合、まず喉頭ファイバースコープによって声帯を含めた喉頭の状態を把握します。声帯の振動に問題がある場合には喉頭ストロボスコープを使った、より専門的な検査を行います。また、治療前後の音声を客観的に評価する為に、音声検査も積極的に行っています。
診断確定後、それぞれの疾患に応じた治療を行います。声帯の炎症やポリープ・結節の一部は薬物治療や音声治療(言語聴覚士による発声指導)で改善しますが、改善しない場合や腫瘍性病変に対しては手術が必要です。
喉頭の手術で最も一般的なものが喉頭微細手術(ラリンゴマイクロサージャリー)です。当院では年間約200例ものラリンゴマイクロサージェリーを、最短で2泊3日の入院で行っています。ポリープ・結節など良性疾患の場合には治療目的の手術になりますが、喉頭癌の場合には治療よりもむしろ精密検査が目的になることがあります。
喉頭癌に対する治療は他の頭頸部癌と同様、手術・放射線治療・化学療法が三つの柱になります。まずはラリンゴマイクロサージャリーを含めた精密検査で腫瘍の範囲や進行度を評価し、専門的知識と経験をもとに、患者さんそれぞれに適した治療法をご提示します。治療法は三つの柱のうちの一つまたは二つ以上の組み合わせになりますが、それぞれの長所、短所を十分説明した上で、患者さんご自身に納得頂ける治療を選択するよう心がけております。進行癌の場合、発声機能の喪失はやむを得ないことがありますが、可能な限り発声機能を温存する専門的手術を行える点が当科の特徴の一つです。
声帯疾患の他にも、嚥下障害、咽喉頭異常感症などに対する評価、治療を行っています。通常は評価が難しい下咽頭(食道の直上の狭い部分)の観察も、当科オリジナルの下咽頭ファイバースコープを用いて詳細に評価が可能です。また反回神経麻痺に対する声帯内注入術や、内視鏡を用いた喉頭・気管病変の手術など、新しい手術法にも積極的に取り組んでいます。
喉頭癌の手術
3~4日間の検査目的の入院を行い、切除範囲を正確に評価して手術適応を厳密に決定することから行います。
喉頭癌の手術には、大きく「喉頭全摘術」と「喉頭部分切除術」に二分されます。癌を含む喉頭全域を取り除く「喉頭全摘術」は、癌を完全に取り除く意味においては、確立された術式であり、根治性の高い治療法ですが、半面で声を失い、のどに気管孔が開くこととなり、QOLの面で大きなデメリットがあります。喉頭癌の伸展範囲、患者様の全身状態など考慮した上で、症例によっては施行可能な「喉頭部分切除術」は術式により様々な程度の嗄声は残るものの、自分の声が残せるというメリットがあり、患者さんにとって大きな希望となります。
喉頭部分切除術には切除範囲の小さな順に「ラリンゴマイクロ下レーザー手術」「垂直部分切除術」「亜全摘術」の3種類があります。
慶應義塾大学は、現在日本で亜全摘術の1つであるsupracricoid partial laryngectomy with cricohyoidepiglottopexy(CHEP) を取り入れている数少ない医療機関の一つです。
反回神経麻痺の手術
頸部腫瘍、胸部大動脈の手術、全身麻酔手術などの影響をうけて、片
側性反回神経麻痺が生じた場合、声門閉鎖不全から嗄声や嚥下困難に
よりQOLが大きく損なわれます。
声門閉鎖不全の治療を目的とした手術として、我々は「声帯内注入術」や「甲状軟骨形成術」を行っています。「声帯内注入術」は頸部外切開を必要とせず、美容面に優れており、注入する物質として当科では独自にハイドロキシアパタイトを用いることで、機能改善、長期実績、安全性において良好な成績をあげています。
両側反回神経麻痺による声門開大不全に対しては、「Woodman法」、「Ejnell法」による声門開大手術を取り入れています。
音声外科
声帯結節、声帯ポリープ、ポリープ様声帯、声帯嚢胞などに対する音声障害に対する喉頭微細手術(ラリンゴマイクロサージェリー)は慶應義塾大学において、齋藤元教授、福田前助教授の時代に大きく発達した手術です。現在は欧米で普及しているmicroflap手技も導入し、さらなる成績の向上に努めています。土曜日の音声外来では、声門閉鎖不全に対するコラーゲン注入術など、日帰り手術も積極的に行っています。
担当スタッフ
浅野和海(言語聴覚士)、松中絵美(言語聴覚士)
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[対象疾患]
慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、滲出性中耳炎、耳硬化症、中耳奇形、好酸球性中耳炎
[担当者からのメッセージ]
中耳は鼓膜から内耳へ音の振動を伝える働きをしています。ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の3つからなる耳小骨で、鼓膜に伝わった空気の振動を内耳に伝えます。外部からの音振動は鼓膜とアブミ骨底の面積比で約17倍に、耳小骨のテコ運動により更に約1.3倍増幅されます。これらが障害されると伝音難聴となります。年間200例以上の耳科手術実績のある当科では、伝音難聴に対し積極的に手術治療を行っており、その成績はきわめて良好であります。当外来は上記中耳疾患を中心に診察、経過観察およびデータ管理を行っております。
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[対象疾患]
原因不明の両側性難聴、先天性難聴、遺伝性難聴、薬剤性難聴、難聴と他の疾患の合併(糖尿病、腎臓病、甲状腺腫、網膜色素変性症など)、難聴と耳あるいは頭頸部の奇形の合併(耳奇形、耳ろう孔など)
[担当者からのメッセージ]
遺伝というと、親類や家族にも難聴者がいると考える方が多いと思いますが、実際にはいない場合が多いのです。上の対象疾患に当てはまるかなと思われた方は、耳鼻科初診医あるいは難聴耳鳴外来の担当医に当外来についてご相談ください。検査で原因が判明すれば、難聴の予測、予防、治療、遺伝などについての適切な情報をお話しします。
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[対象疾患]
アレルギー性鼻炎、嗅覚障害
[担当者からのメッセージ]
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、をきたすような花粉症を含むアレルギー性鼻炎の患者は年々増加傾向にあり、日常生活に支障をきたすこともしばしばです。抗アレルギー剤の効果が低く、鼻づまりがひどく(鼻づまりの具合を計測しています)、鼻の形態異常(鼻中隔弯曲、肥厚性鼻炎)が認められる場合は、手術をお勧めしています。
・下甲介焼灼術 レーザーや高周波メスなどで焼灼し鼻づまりを改善させます。
・下甲介粘膜切除術 下甲介粘膜を切除し、鼻づまりを改善させます。
・鼻中隔矯正術 鼻の軟骨の弯曲を矯正します。
嗅覚障害(においがわからない)の根本的な治療は確立されていないのが現状です。当外来では、検査をして原因を調べますが、原因によって治療法や改善の経過が異なります。当外来の実績では、風邪を引いた後、副鼻腔炎に伴う嗅覚障害の場合はゆっくりではありますが改善することが多いです。
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[対象疾患]
腫瘍性疾患:耳下腺良性腫瘍、顎下腺良性腫瘍など
嚢胞状疾患:がま腫など
炎症性疾患:唾石症、反復性耳下腺炎、慢性硬化性顎下腺炎、シェーグレン症候群など
[担当者からのメッセージ]
当外来は頭頸部術後外来と共同で、主に唾液腺にできる腫瘍性病変の診断、治療を担当しています。頸部超音波、穿刺吸引細胞診、頸部CT/MRI、アイソトープ検査などを組み合わせて、可能な限り腫瘍の質的診断に努めています。それらの検査結果と、患者さんのご希望などを踏まえて、手術が必要かどうかの判断をしています。昨年1年間で実際に手術を施行した例は、耳下腺腫瘍53例、顎下腺腫瘍10例ありましたが、手術をせずに定期的に経過観察している例も多数あります。また唾液腺腫瘍は良性であってもまれに再発することがあり、術後は5年を目安に定期的に診察、頸部超音波などを行っています。
唾液腺腫瘤の外科的治療についてご相談したい方は、当外来にいらしてください。
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[対象疾患]
頭頸部癌:上顎癌、舌癌、口腔底癌、上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、原発不明癌頸部転移、甲状腺癌、耳下腺癌、顎下腺癌など(喉頭癌は喉頭班、聴器癌は耳班が担当です)
頭頸部悪性リンパ腫
頭頸部良性腫瘍など:鼻腔良性腫瘍(乳頭腫など)、耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、副咽頭間隙腫瘍、頸動脈小体腫瘍、頸部神経鞘腫、側頸嚢胞、甲状舌管嚢胞(正中頸嚢胞)など
頭蓋底腫瘍
詳細:慶應義塾大学病院KOMPAS「頭頸部がん」のページ参照
[担当者からのメッセージ]
頭頸部癌治療では手術を始め、放射線治療、化学療法が三つの柱となっておりますが、患者さんに適した治療法 の組み合わせの決定には専門的な知識と豊富な経験が必要です。私どもはこれらの治療法の長所と短所を丁寧に説明し最適な方法をお勧めしています。その上で
個々のニーズにきめ細かく対応し治療法を選択しています。手術ばかりでもなく放射線治療ばかりでもない、多彩な治療を行っていることが当科の最大の特徴です。
頭頸部外来、頭頸部術後外来の年間の初診患者数は約250人、手術件数は約170件です。進行癌に対する外科的治療として拡大切除・遊離組織による再建手術があります。当科では形成外科や消化器外科とのチーム手術によって行っており年間約20件です。脳神経外科、形成外科とのチーム手術となる頭蓋底手術も行っています。
近年早期診断例が増加傾向の下咽頭癌に対しては,根治性維持と喉頭機能温存の両立を目的とした経口的アプローチの適応を拡大し,硬性内視鏡を装着した拡張型喉頭鏡下にhot
instrumentsを用いて下咽頭喉頭切除を行う低侵襲手術を取り入れています。適応決定のために術前の彎曲型咽喉頭鏡下ビデオスコープ観察による精査も適宜併用しています。
また低侵襲手術の一環として,腫瘍切除後の比較的小さな組織欠損に対してはsubmental island flap(オトガイ下皮弁),infrahyoid
flap(舌骨下筋皮弁)などaxial patternの新しい局所有茎筋皮弁を用いた再建方法も選択肢に取り入れ,適応を判断しながら適用しています。
放射線治療科とは定期的にカンファレンスを行い、化学療法を併用した放射線治療など臓器温存治療を取り入れています。化学放射線療法後に癌が残存した場合でも積極的に救済手術を行っています。
また当科では古くから化学療法を取り入れ多くの臨床試験も行ってきました。現在でも化学療法を効果的に行っています。また倫理委員会で承認された多施設共同臨床試験もあり、効果が期待できる患者さんには参加をお勧めしています。
頭頸部良性腫瘍は手術が唯一の治療法になります。
副咽頭間隙腫瘍は手術が困難なため他院で経過観察されていることも多いですが、なかには後に悪性腫瘍と判明する場合もあります。当科では豊富な経験に基づいて手術すべきか経過観察すべきか判断し、手術する場合には後遺障害の少ない方法を選択しています。
頸動脈小体腫瘍は放射線科、脳神経外科、血管外科と共同で診断、治療を行っています。
頭蓋底腫瘍に対しては内視鏡頭蓋底手術を行っています。頭蓋底に及んだ副鼻腔腫瘍や頭蓋底に生じた脳腫瘍(下垂体腫瘍など)が対象疾患です。脳神経外科と耳鼻咽喉科がチームを構成し、鼻内視鏡を用いた新しい低侵襲手術に取り組んでいます。
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[対象疾患]
18歳以上の高度感音難聴で人工内耳埋め込み術を考慮あるいは予定している方。また、人工内耳埋め込み術を行った方。
[担当者からのメッセージ]
人工内耳は、補聴器を使用しても会話ができない高度感音難聴の方が聴覚を得ることのできる唯一の治療法として、既に国内で4000例を超える埋め込み手術が行われており、当院は早期より積極的に取り組んできた施設です。
まず、高度難聴となり、人工内耳の使用を考慮されている方に対しては、医師・言語聴覚士共同でその適応・人工内耳の効果の検討を行い、ご本人とご家族に十分な説明を行った上で手術の決定を行います。また、ほとんど聞こえなくなってしまうことによる心理的な負担についても、臨床心理士と共同でケアを行っています。
手術が決定した方には、経験豊富な医師が侵襲の少ない埋め込み手術を約1週間の短期入院で行っています。人工内耳埋め込み術後は、適切なマップ調整を行いながら、きこえに関わる全般的なリハビリを医師・言語聴覚士、患者さんとそのご家族も一体となって行っています。人工内耳は手術だけでなく、術後のリハビリが言語の再獲得に極めて重要ですが、このようなチーム医療による取り組みの結果、当院では良好な言語再獲得の成績が得られています。
担当スタッフ
浅野和海(言語聴覚士)、山本明日香(言語聴覚士) 田副真美、片岡ちなつ(臨床心理士)
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[対象疾患]
聴神経腫瘍、顔面神経鞘腫、錐体部真珠腫性中耳炎などの側頭骨病変
[担当者からのメッセージ]
前教授の神崎 仁先生の時代から、当科では脳神経外科の協力のもと、聴神経腫瘍の治療を行なってまいりました。耳鼻咽喉科では主に小さな腫瘍の治療を担当し、大きな腫瘍は脳神経外科が中心に治療を行なっています。大きな腫瘍は放置すると生命に関わる問題を生じる可能性が高いのですが、小さな腫瘍の場合には、その可能性が低いため、全ての症例に対して手術が必要になるわけではありません。しかしながら、放置すれば、いずれは徐々に腫瘍が大きくなるとともに、聴力が悪化したり、めまいの発作を生じたりします。したがって、患者さんの年齢やライフスタイルによっては、小さい腫瘍でも手術を選択されたほうが良い場合があります。残念ながら、細心の注意を払って手術を行なっても後遺症を生じてしまう場合がありますので、各々に最適と思われる治療法を患者さんと御相談しながら決めていくようにしています。なお、脳神経外科と耳鼻咽喉科をあわせると、過去20年間で800例以上の聴神経腫瘍の手術が行なわれておりますが、現在、手術をしないで経過を見ている患者さんも耳鼻咽喉科だけで約100名いらっしゃいます。また、両側性の聴神経腫瘍を生じる神経線維腫症の患者さんに対しても、脳神経外科と相談しながら、治療を行なっています。
一方、顔面神経鞘腫は大変稀な疾患ですが、顔面神経が腫瘍化するために顔面神経麻痺を生じる他、難聴やめまいで発症することもあります。当科では過去15年間に23例の患者さんを治療させていただきました。多くの場合、腫瘍摘出後に顔面神経麻痺が悪化するため、原則的には顔面神経麻痺を認めない状態で診断された患者さんに対して腫瘍の摘出は行ないません。しかしながら、腫瘍によって麻痺が既に生じてしまった方の場合には、顔面神経減荷術や腫瘍摘出術を早期に行なうようにしております。また、腫瘍摘出後には通常、神経移植術や形成外科的な手術を行ない、顔面神経の機能改善をはかっています。
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[対象疾患]
1. 睡眠時無呼吸症候群、および、それに関連する睡眠障害。症状としては、イビキ、日中の眠気、早朝・中途覚醒、熟睡感の欠如、耳鳴、鼻閉に関連した不眠などを対象にしています。
2. 口蓋扁桃炎の反復に悩まされている方。
3. 扁桃の病巣感染症と関連があると考えられている疾病(掌蹠嚢胞症、IgA腎症など)。
[担当者からのメッセージ]
睡眠時無呼吸症候群の有病率は全人口のおよそ5%と見積もられており、非常に頻度の多い病気です。しかも、睡眠時無呼吸症候群は高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの疾患と関連性が指摘されています。重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは正常の方に比べて平均余命が短いことも判明しており、大変注目を浴びている疾患です。
この疾患の原因として、鼻からのどにいたる上気道が狭くなっていることが重要な要素になっていることは間違いありません。現在、睡眠時無呼吸症候群の治療としては、nasal
CPAPという鼻につけたマスクからのどに空気を送り込み、空気の通り道を拡張し塞がらないようにする治療が大変効果的であり、標準治療として定着しています。しかし、nasal
CPAPは根本的な治療ではなく、マスクをつけて空気を送り込まなければ無呼吸を起こしてしまいます。続けるには空気を送り込む器械を購入するか、リースで借りなければならず、後者の場合は健康保険の対象になりますが、その代わり月に1回病院を受診しなければならず、患者さんにとっても医療機関にとっても案外負担が大きいのが実態です。
それに対して手術は、一部の人にしか効果がありませんが、睡眠時無呼吸症候群を完全に直す可能性のある治療です。我々は従来行われている手術より、効果の高いと考えられる手術を考案し、良い成績を収めております。また、先にも書いたように、鼻づまりのためにnasal
CPAPができない人も多く、それらの人に対しては、鼻の手術で通りを良くしてnasal CPAPを続けやすくしてあげることも重要です。しかし、手術が有効な患者さんを見つけ出すためには、上気道の詳細な検査が必要です。
一方、現代社会では夜間でも十分働ける環境を作り出せるようになったため、作業効率を上げることのみが重視され、結果として睡眠が軽視される様になりました。睡眠障害を抱える多くの方と、睡眠時無呼吸の治療がうまくいかない方の多くにこのような傾向が認められます。
我々は睡眠時無呼吸症候群の患者さんには詳細な検査を行い、特に上気道がどのような部分で狭くなるかについて力を入れて検査をしていきたいと考えております。また、睡眠習慣に注意を払い、普段の睡眠習慣の改善を図っていきたいと思います。その他の扁桃疾患に対しても、きちんと診断・治療に関して対応していきます。
一般の診療に関しては睡眠扁桃外来で、時間のかかる検査が必要な方は睡眠時無呼吸・上気道外来で対応させていただきます。睡眠時無呼吸・上気道外来は検査のための外来で、一般の再診は原則としてお請けでき無いことをお断りしておきます。
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[対象疾患]
難聴があり、言葉によるコミュニケーションに不自由を感じている方
[担当者からのメッセージ]
近年デジタル技術の進歩により、補聴器の機能向上にはめざましいものがあります。一方で慢性の難聴で会話に不自由している方も高齢化社会の進展に伴い急激に増加しています。そのようなきこえに不自由を感じている方に適切な補聴器の装用と聴覚管理を行っています。
まず、補聴器をご希望される方には問診、診察、聴覚検査の後に補聴器の適否および装用する耳を決定した後、適切な補聴器をフィッティングし、貸出を行い、さらに実生活の中で補聴器を試用してもらった後、購入するかどうかを決めています。補聴器を快適に使用するためには、購入後の補聴器調整や聴覚管理が欠かせませんが、補聴器外来では聴覚の専門医師が適切な聴覚管理や装用指導を行っています。
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[対象疾患]
人工内耳、音声障害、舌・咽頭腫瘍術後、小児難聴、口蓋裂、機能性構音障害、言語発達遅滞
[担当者からのメッセージ]
| 1) |
言語治療外来で行うこと
言語治療外来では、言語聴覚士が声やことば・聴こえ・飲み込みに関する問題について検査を行い、医師と相談しながら訓練を行います。
◆人工内耳
人工内耳の仕組みやリハビリについての術前の説明、術前術後の検査やリハビリを行います。
◆音声障害
発声機能検査などの検査を行い、必要に応じて音声治療を行います。
◆舌・咽頭腫瘍術後
術後に飲み込みや発音の異常がある場合、訓練を行います。
◆口蓋裂
形成外科・歯科・小児科のスタッフとともに、チーム医療を行っています。 |
| 2) |
言語外来に初めて受診される場合
まず、月曜から金曜の午前中の初診で、医師の診察をお受け下さい。なお、お子さんのことばや聴こえについてのご相談の場合は、齊藤秀行専任講師の初診外来を受診してください。 |
担当スタッフ
浅野和海(言語聴覚士)、山本明日香(言語聴覚士)
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〔対象疾患〕
症状の発症や経過に心理・社会的側面への配慮が必要であると思われる疾患。
突発性難聴、心因性難聴、耳閉塞感、聴覚過敏、耳鳴、めまい、メニエール、人工内耳、発声障害など。
〔担当者からのメッセージ〕
| 1. |
心理治療外来で行うこと 当外来では、臨床心理士が以下のことを行い、医師と連携したチーム医療を行っています。
1) 心理検査
各種心理検査により、アセスメントを行い、診断・治療の一助とします。
2) 心理療法
心理カウンセリング、自律訓練法、交流分析、認知行動療法、芸術療法などを個別またはグループにて実施しています。
3) 診療時間
耳鳴グループ療法 月曜日10時40分~12時00分
個別面接 月曜日、火曜日、木曜日 時間は、各曜日によって違います。予約時に時間を提示いたします。 |
| 2. |
心理治療外来に初めて受診される場合
はじめに、月曜日から土曜日午前中の初診で、医師の診察をお受け下さい。 |
担当スタッフ
田副真美(臨床心理士)、片岡ちなつ(臨床心理士)、中井貴美子(臨床心理士)
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